加納 竜司さん

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雄勝町にある店子屋(仮設商店街)でお寿司屋さんを経営している加納竜司さん。長い修行を経て開店したお寿司屋さんは津波によって、流されてしまいました。雄勝町でお店続けようと思った理由や雄勝の現状などについてお話していただきました。


伝八寿司を続ける理由
あのね、まずはその、外にあるんだけど、うちの看板すか。伝八寿司って同級生に売ってもらった看板なんで木のね、それが流されてたんだけど、なんか見つかったっていうのがまず一つで、あとうち卵焼きに伝八って焼印をしてんだけど、それがほんと店の、流された店のところに、地面に刺さってたのね。あれ、これって。そういうのもあったし、包丁とかも残ってたし。んで、まぁ一番はあの、食べ物屋さんがね、誰もやらないって言うんすよ。他の。要はあの、みんな歳なんすよ、60過ぎる人たち…俺が飲食店で多分一番若かったんで、でみんななんか、いや俺は仮設店舗になんかはいらねー、今更やったって無駄だべ、とかみんな…でそれでまぁ、まぁ雄勝に残ってる人たちにも、雄勝食い物屋ねぇと大変なんだろうなっていう話もされてたから。もういっぱつ、じゃぁとりあえずで、最初はね、でとりあえずやってみっかって。そんだけ大変だって言うなら。まぁ最初の動機はそうだな、でやってみようって…まぁ俺もほら、家族いるから。食わせていかないといけないからね。無謀なチャレンジはできないっすよ。


雄勝町に残るか残らないか
あの雄勝に残ることに関しては、全然苦じゃないんですよ。まぁ自分が生まれ育った町なんで、全然もう、嫌だとかそういうのはないんです。ただ、うちの、なんていうんすか、家族がなんかまぁ、もう戻りたくねーっていうこともやっぱあるんすよ…うちの親とかは、その、一旦、今うちは俺ら雄勝にはいないんでね、河北町ってとこにいるんすけど、あの…その高台移転ってあるじゃないですか、そん時に、あんたら好きな方選んでいいよ、言ったんですよ、親に。雄勝に戻るのもいいし、こっちの河北町に残るのもいいし…そしたら迷わず河北町選んだから、なんでや、って言ったら、いや、もう今度あんな津波来たら逃げらんね、っていうのと、あともう病院もねーし、なにもねーし、大変、年寄には大変だと思う。


加納さんにとっての雄勝町
ああ、やっぱりねー。一番落ち着、落ち着くっていうのが一番かなぁ。でやっぱあの、やっぱり、昔っからいるし…で残ってる漁師さんとか結構残ってるし、別に雄勝いて、こう退屈するっていうことがそんなないすよね、うん。なんか普通にいる、みたいな。たのしい…楽しいわけじゃないですけど、まぁいて一番楽なところです。雄勝。その河北町とかにいるより、雄勝にいた方が楽だっていうことです。楽っていうか、気持ちが。まぁあんな津波とかもあったんだけど…一番いやすいところです。だから残ってるっていうところは、まぁそういう感じですか。


伝えたいこと
ぜひ、機会があったら雄勝にきてもらって、自分の目で見てもらって、まぁ雄勝のいいところとか、あ、こんなに復興とかがこんなに進んでないんだな、とかを見てもらって、まぁ…こうなんつったらいいんだろうね、言ってもらいたいつーかね。まぁ自分たちも言っていきますけど、外の人にもなんか知ってもらいっていうか、かな。


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